お二人が結婚式を考えた時、国を超えたお二人が辿り着いた先は自分達の生まれ育った文化と歴史の原風景がありました。

日本とフランスというバックボーンを持つお二人は、まず結婚式をすると決めた時から自分たちの『生き方（Way of Life）』について語り合いました。
日本とフランスという、全く異なる宗教観、環境、文化についてじっくり話し合い、決定したのが、新婦の実家渋谷の氏神様での結婚式。

新郎はあらためて日本の宗教観、精神世界観について学び、“神道”についての知識を深めることが、まず結婚式のコンセプトを決める第一歩でした。

披露宴で大切にしたかったことは、ゲストに対してきちんと感謝の気持ちを伝えることでした。
海外にいるお二人は、ゲストとゆっくり合う時間がないため、一人一人に向き合う時間を大切にできる披露宴のカタチを望んでいまいした。
海外からも多くのゲストがいらっしゃることもあり、日本伝統の「和のおもてなし」を全面に出したいという気持ちから、日本の温泉地で新婦の生まれた場所にも近い伊豆を候補地として選択。
そのなかでいくつもの温泉地に宿泊し、新郎新婦の大切なものを確認しながら検討した結果、二つの川が落ち合う地であるこの地は人生での出会い縁に通ずる。

そして地域社会・経済への貢献、日本伝統の歴史・文化の継承、環境配慮、接する方々の人間味に惹かれ、この文化財でもある老舗旅館でおこなうことに決定。

伝統的な和の結婚式に対する細かいイメージ作り（時代設定等）、現場の会場のセットアップや音楽・プランニングに加え、1泊2日のデスティネーションウェディングなため、移動手段や宿泊の手配など通常のウェディング以上の調整が多岐にわたりました。

お二人は現在遥か彼方のスーダンにお住まいのため、当初はメール・SNSを活用しての打合せでした。
新婦が日本に一時帰国してからは、準備も多忙極めましたが、『日本人ゲストもこれまで経験したことがない日本の伝統芸能をフルに盛り込み、日本の美しさを再認識するようなエンターテイメント要素の高い結婚式を目指すことにより、ゲスト全員が喜び楽しみ参加する価値のある結婚式に』をゴールにかかげ、どうしたら一番感謝の気持ちが伝わるかを常に考えつづけました。

当日は、新婦ご実家での準備からスタート。
思い出深い実家、実はこの大きなイベントを終え春を迎えると建て壊すことになっており、お二人もご実家から準備をするこの形を望み、ここで積み重ねた時間や思い出しながら着物に袖を通す二人。
準備を整え出発、新婦の氏神様である神社での挙式を終え、大型バス2台で伊豆修善寺へ。
旅館到着後、ゲストは温泉を各自楽しんでいただいてから宴に参加するというゆったりとした時間をすごしていただきました。

海外ゲストに日本の良さを伝えるために、日本の美を表現した会場装飾。
和紙を使用し天井から吊るし雛を贅沢に飾り、クレイアートで一つひとつ手作りの毬、新婦のご実家にある和小物を配置して豪華さを出しました。
披露宴の中盤では伊豆のひょっとこ踊りを盛り込み、ゲストの参加型の演出として盛り上がりました。
その後は伊豆修善寺ならではの天城連峰太鼓の演奏で、日本の伝統芸をゲストに堪能いただきました。

宿泊も兼ねたウェディング。
『素晴らしい結婚式だった、ゲストに喜んでもらえるようという演出や気配りが随所になされていた』というコメントをゲストからいただいたと新婦が喜んでいたことが、私たちにとっても嬉しいお言葉です。